● 新しい職場でうまくやっていけるかどうか不安です。
  • 自分でああしよう、こうしようと決めてしまわず、周りの人の意見に耳を傾けてみましょう。(激流に逆らわないで流されてみる。)流れに身を任せ、まわりに教えてもらってついていきましょう。
  • 自意識が強く自分でなんでもしないと気が済まないところがあります。自分が自分がという自意識過剰になると疲れ果ててしまいます。
  • まだ先のありもしないことで不安(自分の想像で不安をつくりあげてる)になるより、事実に即した生活をしてみてそこで実際の不安に対応していきましょう。どう工夫するかが大切です。
  • まわりの状況や実体がわかればどうすればよいかわかってきます。まわりの人に相談したり情報を集めたりします。その上で努力工夫すればなんとかなります。
----- 森田先生のことば --------------------------
素直・従順・「はからわぬ心」とかいうのは、「自然に服従し、境遇に柔順なる心」である。
例えば、親や師に戒められ、命ぜられる事は、或はこれを無理と思いて、腹立たしく・疑はしく・ 反抗の気分が起ころうとも、先ず其のままにかりに・試みに・其のいう通りに従う事である。 又自分の職務や事業に対しては、或は人に対する不平・呪いや・或は自分の能力に対する疑惑・ 不安があろうとも、其ままに、自分の仕事に、其日々々と、かじりついて行く事、又或は頭重や不安の 悩みがあっても、医者が診断して、勉強しても差支なしといえば、疑い懼れながらも、先づ試みに、 其医者のいう通りにする等の事が、即ち素直の心である。
腹立てて反抗し、不平をこぼして、為すべきを為さず、疑うために、いう事をきかない等、之を「我まま」強情とかいう。
又一方には、自分は従順でなければ、善人になれない、信じなければならぬ、不平の心を起してはならぬと、 我と我心をはからい・ため直そうとするのを、ヒネクレ・偽善・余のいわゆる「思想の矛盾」とかいうのである。
腹立ち・疑惑時は、我等お互の無知・未練のものに、当然に起る人情であるから、其あるがままにあるを 「自然に服従する」といい、親の戒めや、世渡りの職業等、当然其あるべきに従う事を「境遇に柔順」というのである。
 斯様な事は、例えば、慈父の言は、無理らしくも、当然正しかるべしと考うるを、科学的にいう「仮説」と称し、 其いわるるままに実行するは、「実験」に相当し、後「子を持って知る親の恩」とかいう事を、初めて知るに至るを 「証明」といって、仮説・実験・証明の科学的研究法にもかなっているのである。
 素直な心ほど、安楽なものはない。それは間違のない事実・其ものに従うからである。
(森田正馬全集 第7巻 P.440)
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