【前半】『対人恐怖の治し方』(森田正馬先生著 より)
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赤面恐怖患者(二十歳学生)の治験例
患者の日記より
第15日 ……先生は、赤くなるのを止めるではなく堪えるのである。
赤くなる事が気にならぬ時は、赤くならない時である。
また人中へ出るのが、怖くなくなればよいではないかといわれる。
却し怖くなくとも、恥ずかしくなくとも、赤くなっては厭である。
夜、散歩中、先生と以上の話をして歩いたが、肝心の自分の顔が、
赤くなるということを忘れていた。この境地であると思う。
残像や彩塵も、気にとめて心配せよ、顔も自分から、努めて赤くせよ、
と先生はいわれた。
第16日 先生と共に、白木屋へ出かけた。店にいる間、
顔が火照って、実に苦しかった。もしあの場合、私が買物でもすること
になったら、銭勘定も出来なかったであろう。先生に聞けば、赤くないという。
誰でも、顔は時刻々に、熱くなったり、冷えたりするのであるといって、
先生の手の赤いのを見せて下さった。間もなく白くなった。しかし私には分からぬ。
顔が赤くなって笑われても、永遠にそれを堪える事を意味するのであるが、
今の私の考えでは、熱いのが治らなければ、赤くなるのも治らない。
先生に別れて、電車で帰ったが、割合に楽であった。私は何でも堪える。
こらえてこらえて堪え抜こうと思う。……
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・堪えるだけでは突破はできない。でも、まずは我慢から・・
・ここまでこだわる気持ちは、同じ対人恐怖同士でも、赤面恐怖の経験者に
しか分からない。
・赤くなってはいけないと思うと、赤くなる。
・若い頃のほうが、赤面になり易かった。初々しさがあった。
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【後半】森田正馬全集5巻
◆P120 東村山貯水池へのピクニック
『持参の「神経質」二十部を人々に渡した。よくよんでいる人・ちょっと
見ててしまう人・初めから「いりません」という人など種々ある。
よく読んでくれる人は我々も嬉しい。捨てる人・受け取らぬ人は随分欲のない人だ。』
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・自分の場合、欲が有りすぎて困っている。仕事を完璧にこなそうとし、
しんどくなる事がある。仕事をきちんとこなす為には、技術を身につけなければなら
ないが、努力するのがしんどいのですが・・。
*仕事は与えられるものは、しなければいけない。他にしなければならない事がある
場合は、程ほどにする。
*ストレスが溜まっているならば、何か他に発散する事をした方が良いのでは。
*神経質者は、負けず嫌いで、人に認められたいという思いが強い為、しんどくなる。
*仕事で上司に認められたいと思って、そればかり気になり症状が出ていたが、
それよりも実際の仕事をこなす様にしている内に、認められる様になった。
物事本位で行動していく内に、結果は出てくる。
*神経質者は、欲ばかり大きく、失敗を恐れるがゆえに、努力をしない人が多い。
*優先順位をつけて進めていく。けれど一つに固まらず、3つあるとしたら満遍なく
手をつける。どこまでしなければならないとか深く追求せず、こだわりなく進めていく。
一つが飽きたら、もう一つをするという風にする。
*必要でないものには手を出さない。
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◆P124 懺悔と犠牲心とがでれば治る
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・「懺悔(告白)をすれば治る」という言葉尻を捉えて、自分の症状を周りに
話していたが、結局心には犠牲心がなかったので、治らなかった。
・自分が気にならない、恥ずかしくない事を話すのではなく、言いにくい恥ずか
しいことを話した方が治る方向に向かうのでは。
・治る為に懺悔(告白)する、の様な行動をしても治らない。治るとは、
あとについてくる結果。
・自分の辛い経験を話すことにより、悩んでいる人の役に立てばと思える様になれば、
これを機会に治ることがある。
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