2005年3月
【前半】『対人恐怖の治し方』(森田正馬先生著 より)
・神経質は、自己内省的で物を気にするという性格の人が、或る動機から誰にもありがちの感覚、気分、感想を病的異常と考 え過ごし、これに執着、苦悩するようになったもので、言いかえれば、実は病気でも何でもないものを我と我心から、次第々 々に病気に組み立て、こねあげたものである。昔から俗に言う「気やまい」である。
・強迫観念とは、我々の日常、自然の感想に対して、自らことさらに、そうあってはならぬと反抗し、苦悩するものである。 即ち、その感想そのものが病的であるのではない。これを病的と思い違えて、いたずらにこれに反抗するところの反抗心その ものが異常を引き起こすのである。私の見解では「当然起こるべき観念を、しいて起こさないようにしようとする不可能の苦 悩」と解釈するのである。
●森田の本を読んで、どう取り入れるか
・何とか治そうとしていた時は、今とは違う部分で読んでいた。
・How to的に利用しようとすると勉強する気がなくなると思う。今は別の部分(症状以外)で知りたいこと、生き方に についてなど学んでいる。
・本を読んでも対人恐怖は治らない。いろんな人とか、いろんな場面で先生が何を言おうとしているのかなと、行動していか ないと。言葉尻だけを捕まえているのは、良くない。
・本にとらわれると「そうしなければならぬ」となりがち。実際は、臨機応変に、状況に合わせて柔軟 に動いたほうがいい。
・これは自分もやれるなと思ったり、理解ができる所も出来ない所もある。長年勉強していても、 高いレベルのことは真似できないと感じる。
・これまで感情を入れて話をしていたが、職場で言うべき事を、感情を入れずにただ言って報告した。 頭で色々こねくり回すより、さっと行動に出れば楽だったと思う。
●克服した後もなぜ勉強を続けていくか
・症状は軽快したし生活できるようになったが、自分の性格は変わっていない。少しでも引っかかることが出てくると、「自 分はダメになるのでは」と、大きくし悩んでしまう性格なので、森田をやらずに放っておくと考えがまがっていく。そうやっ て続けていくと、症状に対する態度が見えてくる。
・神経症は、もともとすべてが強迫観念だから、自分のなかで「神経症的部分」と自分の「個性の部分」を見分けるためにも 勉強を続けていきたいと思う。
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【後半】森田正馬全集5巻

◆P.111 上段 「私は常に自分が、よりよく完全に治りたいために、自分の症状の良い方は少しもいわず、一般にレベルを下げて、悪いよう に悪いように日記に書いていた・・」
Q.自分の症状の良い方とは具体的にどういうことですか?

・緊張してドキドキした事などを言い、やった事・出来た事を言わない。
・症状に良い、悪いがあると解釈していたが、それが違うと分かった。
・つい悪いところを見つけ出し、絶対視してしまうが、全体を見たら良くなっている。
・調子がいい時は良い事ばかり、悪い時は悪い事ばかり言い、気分本位になってしまう。
・完全に治りたい為、治ってない部分を見てしまっていた。
・電車でパニックになって以来、電車に乗る練習をしていた。 今は、何故そんな事をしていたのかと思う。パニックが起きて も死なない事がわかった。
・頻尿恐怖で、エレベーターの中や仕事中、そればかり考えていた。今は怖いのは当たり前、 楽しむ時は楽しみたいと思う様になった。
◆p111 下段 「この会へ出席しても、例えば不眠なり、赤面恐怖なり、自分自身の症状に 関係のないものは、他の神経質の症状に対して、興味を起こすに至らず、面白くないといって、 出席しないようになるという事が多いようである」
・不安が1番酷かった当時、発見誌を見ても、自分の症状に似たものばかりを探してた。今は、自分と違う症状のものも、同 じように捕らえれるようになった。→治っていく段階での、1つの「ものさし」
・以前は、自分が1番辛いと思っていた。今は他の症状も大変だと思える様になった。
・自分と違う症状は実際わからないが、大変さは一緒だということがわかれば良い。
◆p112 下段 前から7行目「絶えずハラハラしているようであれば、よくなる」
・絶えずハラハラしないといけないと、言葉にとらわれていた。
・悩んでいる時は動きが止まっている事もあった。自分の感情をコントロールしようとするとおかし くなる。
・色々な事に気が付かなければいけないという観点にとらわれていた。
・電車に乗って本を読んでいると周りが気になる。 ちょっと角度を変えてそのうち周りが気にならなくなる。

→Q.そういう風にするのはよくないか?
・ある程度はやむをえない。
・次の行動に出た方がよい。
◆p112 下段 後から1行目
「ここの療法で、その症状だけは、単に苦痛もしくはその恐怖 そのものになりきる事によって、治る事ができるけれども、こ れが根治するのに、さらに欲望と恐怖との調和を体得する事が 必要であります」
Q.欲望と恐怖の調和とはどういう事ですか?

・忙しすぎても暇すぎてもだめ。調和が大事。
・ぼーっとしてはいけないというものではない。
・用事を作っていると、外向していくもの。
無理して悟りを得ようとするのではなく、ランク的に考えれば良い。
・みとめる。受け入れるしかない。
◆p113 上段「苦痛・恐怖になりきるという事は、その苦痛をそのまま忍受 する事であって・・・」
Q.仕事中、苦痛にひっかかり前に進めません。ミスも有り仕事に差しつかえます。なかなか苦痛を忍受できてないという事 ですが、どうすれば良いのでしょうか?

・苦痛は排除できないもの。そういう自分・事実を認める事が大事。
・誰にでもある事。そういう時もあると、受け止める。
・鬱が酷い時、自分を守ろう守ろうとしていた。
今は、朝早く目が覚めた時、寝てても辛いなら、起きる様にしている。
何かしている内に、気分は流れる。
とじる