【前半】「症状に対する一般の心構え」(高良先生著 より)
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〜 入院練成治療 〜
私はいわゆる神経質症状に悩む人々を預かって治療している。かかる人々は遂には自ら治りえる人もあるには違いないが、入
院治療によって短日月に治りえるのである。患者はたとえ治療の原理は解っていても、自宅においては自由
放漫になりやすく実行が甚だ不徹底なるを免れないから、心構えも容易に出来難いのである。
入院治療の説明〜
この方針によって、数年或いは数十年を経た者でも、早きは30日長きは70日位で全治或いは著しく軽快するのである。全
治すれば、悟達の一段階を経たものであるから、単に症状が治癒したに止まらず、一般的に活動的となり、積極性を増し、練
成された人物になるのが普通である。
原則として私は、神経質症のものにはこの特殊教育治療を主として、薬物的或いは理学療法を用いない。ただ分裂病的であ
るとか抑うつ病の場合には、電気衝撃療法、持続睡眠療法その他を用い、軽快すると共に練成教育を施すのである。抑鬱病は
、神経質症状に良く似ているものがあり、感情抑鬱、興味喪失、無気力、行動緩慢、睡眠障碍等を主とするものであり、神経
質との鑑別は専門家にまつべきものである。
この病気は、衝撃療法或いは持続睡眠療法に精神療法を加味すれば多くは一ヶ月内外で全治する。自然の成り行きに任せても一年以上続く者は
殆どない。
この点から言うと抗うつ病は如何に重症でも好都合であるが、神経質の治療は物質療法では容易にはかどらず、治すほうも指
導に苦労するのであるが、その代わり、一度根本的に悟達すれば、一生再発することはないのである。
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◆森田療法について
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・うつで電話に出るのも恐い、仕事も覚えられずにいたが、集談会に参加するようになって、出世の事より生活のほうが大切
だと思うようになった。そうしたら、仕事に対しての視野も広がり、仕事もバリバリ出来るようになった。
・うつは治りかけの時に森田療法を用いる。間違った生き方人生観を正すことが出来る。
・森田に出会って症状以外の他のことが考えられるようになった。
・病気ではないことがわかった。これが当たり前、症状のことにかまっている状態ではないという感じになった。イヤな感情
はたくさん出てくるが、再発ではない。生活できなくはならない。
・日記指導を受けたとき、日常茶飯事を大事に、そして症状のことは愚痴を言わないようにと言われたことが強く印象に残っ
た。
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【後半】森田正馬全集5巻
◆P.106 第11回 形外会 薬物療法では治らぬ
「人に知られるのを嫌って、いかにも超然たる風格を持っていたため、天文学者のあだなを頂戴したが、
内心すこぶる苦痛であった。治そうと思えば思うほど苦しかった。」
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・会社で対人恐怖をばれないようにしているから、共感した。
・症状でドキドキしているのを見られたくない、平気なふうに装うが、周りにはわかる。
・平気なフリをしなくて、そのままでよい。
・苦痛がないということは、救われないという事ですね
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◆苦しいと感じるのは、治る見込みがあるのでしょうか?
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・苦痛を感じるということは、逃れたい・治したいという意思がある。
・始めから人との交渉を嫌う早発性痴呆症の人とは、違い、神経質者は、人との交渉を恐れるくせに、
交渉したいという様な欲求がある。
欲望を達成する為や必要な事など、行動していくうちに、いつの間にか治っていくもの。
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◆自覚がなくて治ったのは再発の恐れがある
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・自覚がなくて治ったというのは、楽な環境になり、なんとなく治ったという事。
・発作性の人はよく再発すると聞きます。
・命がけの真剣な生活になると、神経質もその間には影を潜めるんですね
・森田先生も学生の時、お父さんからの送金が無くなった事がきっかけで症状がよくなった。
・発見会で、世話役をしてから症状が治りだした。 人に目を向けるようになったのが、治ったきっかけ。
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◆「赤面恐怖の人が「君は顔が赤くなるね」などといわれると、内心腹を立てる。治ってからは平気で、
客観的に自分の心理を述べる事ができます。」
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・悩んでいる時は、自分の認めたくない部分を人に指摘されると、そんなことはないと、
強がって腹を立てたりしてしまう。
・そのままが自分であり、実際はみじめでもなんでもない。
・現実の自分と違う自分になろうとすると、かえってしんどくなる。
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◆全く行き詰って、いかにもしょうがなくなると、案外活路が開けてくる、学生の頃、冷水摩擦や、複式呼吸、服薬など、い
ろいろ努力して治そうとしてもよくならなかったが、結局治らないと断念して、苦悩もまた人生の重要な内容だと悟った時に
、神経質の無明が明けてきたように思う。
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・苦悩にかかわっていたら、もったいない。
・苦悩は無くなるものではない。
・悩んでいる時は、不安を邪魔者にしがち。不安はあって当たり前。不安を抱えながらやるべき事を
やっていく。
・とらわれている時は、他の人は平気に感じる。特別視してしまいがち。
・自覚する事は難しい。 自分が弱いのを認めたくない。
・会社で強がって優等生を演じてしまう。ありのままの自分を出せない。
・仕事で、指示を出す人の立場では、色々とそのまま質問された方が安心する。
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◆「忙しく仕事をしていれば自然に治るのだ」とありますが、本当にそうなのでしょうか?
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・治すために忙しくするのは、違います。悩んでいることに重きをおくのではなく、仕事の中には
まり込む。
・他のことを充実させると、症状などに関わってたら、もったいないと思う。いつの間にか症状は
影を潜める。
・神経症を治すのが目的ではなく、行動したり、考えを正していく内に治まってくるもの。
・しんどい時は行動していても自分に向いてしまう。悩みながらもすすめていく事が大事。
・気が向いてはいけないと思うとがんじがらめになってしまいます。気になってもよい。
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