2004年12月
【前半】「症状に対する一般の心構え」(高良先生著 より)
〜 小児病的態度 〜
 物事には直ちに解決できることがある。机上に汚れがあれば直ちにそれを拭いて解決することができる。しかし心に受けた 印象は、ことによっては、直ちにこれを消し去ることが不可能である。
未練は未練のままにどうしようともせず、進んで日常の仕事につとめてゆくうちに、いつの間にか未練はうすれて 遂になくなっている。あるとしても切実な感情を伴わない。
 感情の興奮は、快であれ不快であれ、そのままにしておけば波を打ちながら、時と共にうすれる。 それが原則である。神経質の人は特に、現在の苦痛から今即刻に逃れようといて、さまざまのはからいごとを為し、却って感情の自然の経過を妨 げてしまう。
・・・親に子に死なれるというような悲惨事に遭っても、素直に悲しみつつ、欺きつつ日常の仕事に励みゆくうちに、たとえそれを 忘れることはできないにしても、一年二年、時の経つにつれて当時の深刻な情緒は次第にうすれるのである。 日常の些事における不快不安の如きものは、そのままにして自然の経過に任せておけば、多くは数日にして 消失するのである。
直ちに解決し得ないことを即刻精算しようとする小児病的態度を改めなければならぬ。
・子供がダダをこねるようなこと
・イヤな事や不安感は、今すぐ無くしてしまおうとなりがち。今は、苦手なことをほっときながら他のことにも打ち込めるようになった。
・症状がころころ変わる。色んな違和感を何とかしようとして、逆に執着してしまっている。
・不安、緊張感を取り除きたいと思うほど、ますますそうなる。
・身内が亡くなって、感情はそのままにしておけば波を打ちながら時と共にうすれる・・ というのを経験した。薄情な気もした。
・不快な感情にとらわれやすく、快の感情にもこだわりが強い。でも、過ぎた時には戻れない。
◆仕事に関しての話
・対人緊張が治ったかなと思っていたけど、やっぱり面接ではすごく緊張する。緊張して当たり前なんだと 思える。
・毎朝、職場での人間関係を思い浮かべてイヤな気持ちになるが、会社へ着くと忘れている。色んな経験を して図太くなった。
・転職の悩み。「想像」がふくらんで、悩みが大きくなってる。 
 頭で考えるばかりでなく失敗しても良いから、色んな職種について調べたり、問い合わせたりと、 少しずつ行動を起こしていったら、進みたい道も見えてくると思う。
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【後半】森田正馬全集5巻

◆P.103(下段)強迫観念に苦しみながら、かえって上等の創作ができた
「他の反対者があるような場合には、かえって頑固なくらいに自分の意見を主張するような事もある」
・対人恐怖の私は、自分の意見を言わずにためてしまう。けれど、ある程度ためてしまうと、自分の意見を頑固な位に言って しまう事がある。都度、意見を言えば良いのに、ためて爆発してしまう
・嫌な事、行きたくない事があると、変に頑固になってしまう ・これは、神経症の特徴である弱気な部分と強気な部分の葛藤だと思う
◆「庭を眺めても物を観照することが少しもできないと思って、非常に苦しんだが、その時は実は普通以上に物を細かく詳しく 観察していながら、まだそれが物足らぬ物足らぬと思って苦しんだのである。すなわち普通の場合よりも精神は盛んに活動し ている訳であります」
Q.倉田氏は作家なので、一般の人より観察力に長けていると思います。この意見は一般の神経症の人とは違う様に思うので すが・・。
A.神経症の人は、限られた狭いところへ自分を追い詰め、苦痛を感じ、繊細な部分にこだわるのが嫌だと思っている。神経 症はボーっとしている訳ではなく、神経は研ぎ澄まされている。
自分が次から次へと考えることを悪いと考えるのが神経症。
良いと考えると、浮かんだ事がアイディアとなり、それが生活に生かされる(=特技)。
◆「人生の事実をそのままに受け入れるという事が宗教である」
・「良い行いをしなければならない」「願い事を叶える為祈る」というのが宗教と解釈しがちですが、 森田を学ぶと「事実をそのままに受け入れる」「自然の中で生かされている」という事が、 宗教に通ずるものとわかってくる
・神経症で苦しんでいる時、宗教とは「頼みごとをしたら叶えてくれる」という、自分にとって都合の良いものだと思ってい る。森田を知ると、事実以外は何ものでもないという事がわかる。(本来、宗教=事実)
・神にいくら願っても何もならない。誤った認識・生活を改めると治る。自分に非があることがわかる。 懺悔=正しい道に導かれたら治る(ただ、懺悔すれば治ると考えるのは間違い)
・事実を認める事が一番楽。それができれば、殆ど解決する。事実=神様
背伸びをしてる自分は挫折するだけ。謙虚さが自然に生まれると、周りの人が変わってきてる 事に気付く
◆「生命の肯定は内容によってではない。生きている事により、それでよいのである」
・症状にとらわれている時は、嫌でしょうがないものだが、森田を学び、生きている事自体が、これで良いと思える様になっ た
・自分はどんな人間で、どういう風に生きてきたかを、本来の人間との違いを解く事によって、悟る。 自分がどんな人間か、森田によって知る事ができる。
◆P.104(下段) 本を読むとき、文字が回転するように見える
「強迫観念から出発しないから、その起こった理由を充分に自 分で理解しないというまでのことである」
・ただ単に気になるだけの人と、馬鹿らしいと解っていながらやめられない強迫観念との違い
・強迫観念を病的異常と考えない人は治りにくい
・長年継続して勉強し、自分にこんな言い面があったとやっとわかる。
長年かかってできあがった症状なので、すぐに治るものではない。神経質のままの自分を受け入れる
とじる