2004年10月
【前半】「症状に対する一般の心構え」(高良先生著)より)
〜愚痴を云わぬ〜
愚痴を云っていると一時の気休めになるがかかる気休めをしていると、益々症状に乗ぜられる。
自分のわなに自分がかかってゆく。人は愚痴を云わぬだけでも強くなる。偉い人と云われる人は概して愚痴を云わないものである。
愚痴を云わぬことは凡人にはむずかしいことであるが、それを止めることが出来れば、それ丈でも心は鍛錬される。
喜怒哀楽の情緒は人としてあらざるを得ないから、あるがままに任せて良いが、これをふしだらに、何の抑制もなく外に現す ことは気分に支配されることであり、そこには何の鍛錬もなく、意志薄弱症になるばかりである。
◆愚痴を言わないことについて
・いつもいつも愚痴を言っていたら、嫌がられる。 ・愚痴を言わないのは難しいことだが、自分自身も向上しない 。 ・小さい頃は、愚痴を上手に受け止めてくれる家族がいていつ も言っていた。その人と離ればなれになって後は全く言わなく なった。 ・自分のためにも言わない。
◆愚痴の影響について
・愚痴を言った後は落ち込むことが多い。程々でやめなければ と思う。 ・愚痴を言うと楽になるけど、相手にどう思われたかというこ とで悩む。 それで対人恐怖が助長されたと思う。 ・同じ症状の人同士、解りあえるのでつい愚痴を言ってしまう 。 「益々症状に乗ぜられる」のだから、やめた方がいいと思った 。 ・身内をなくした時、淋しくて愚痴を言っていたが、 聞いている相手はどうすることも出来ないのだと知った。 Q. 愚痴は全く言ってはいけないのですか? 口下手なこともあり、愚痴を言わないことにとらわれすぎて、 集談会でも何も話すことがなくなって悩んだ。 ・自分の症状のことなどでどうしていいか分からないことは、 集談会でも言ってもらった方がいい。具体的に話をするのは必 要だと思う。 ここでいわれている「愚痴」とは、言って周りの人を困らすよ うな意味でしょう。
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〜病気の中に逃げないこと〜
 軽い風邪気味のとき、行きたくない会に出ようとすると、俄に風邪が重いように感ぜられて、それにかこつけて会に 行くのをやめる。しかし待望の映画でも見ようとなると、少し位の風邪は何の苦にもならない。
人は、現実の苦渋を唯避けるのは良心に恥じるので、病気という口実を設け易い。神経衰弱の人に殊にその傾向がある。 現実を避けているといよいよ現実は辛く思われて、病気はいよいよ重く感ぜられる。何事をするにも、「自分は病気だから」 という態度でいると神経症は癒らない。
◆病気や症状を理由に逃げてしまったことはありますか?
・人とうまく話せない、関われないのを性格のせいにして逃げていた。
・元々体が弱くてそれを言い訳にしていたら、いつも周りから体が弱い人だと思われる様になってしまった。
・症状を病気だと思ってた頃は、現実を避けていた。頭痛や、体の不調も自分の頭の中で作っていた。
・実際の生活より自分の気持ちばかり考えて、辛いことをどうにかしようとしていた。

Q. 仕事を辞めた時、一時は楽になるけど、次の仕事を決める時、臆病になっている。業務内容より症状で仕事を選んでしまう。 また、仕事へ行く前に色んな想像をしてしまう。
・妙な気分になってしまうと、気分にばかり左右されます。
・「〜したい」本当の欲求を大切に。実際思い切って仕事へ行くと、いいことも起こるもの。
仕事へ実際行ってみて、やってみる・・・人から色々言われたらその時はその時で説明をしたり、黙ってもち堪えたりして対 処する。

Q. 対人関係に自信がなく、独学で勉強できる学校へ進んだ。就職する時ツケがまわってくるのでは、と心配。
・みんなの中でやっていきたい気持ちがあるのだから、このままじゃダメだと思ってても、ちょっとずつでもやりたい ことをやっていったら 変わっていけます。
 ・勉強より、人間関係のほうが大変に感じていた。発見会の人たちは(神経症の経験者なので)一般の方より接しやすい、 かかわっていったら良くなると思う。
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【後半】森田正馬全集5巻

◆「解決の文句を何回もくり返す」P.98
Q、自分で確認恐怖や不完全恐怖を感じることはありますか?
・鍵の確認を何回もする
・灰皿や火の元の確認をする。
・仕事の業務で何度も確認する。特に人に迷惑をかけるようなことは何回も確認しないと気がすまない。
・プレッシャーで確認だけにとらわれた
・2-3回ぐらい確認するのは普通の事である。

*文中の加藤さんは何処をどう歩いたか分からないと言っているが、森田先生は実際は一人前の旅行をし遂げられたと言って いるように、雑念があっても電車に乗ったり、することは出来ているのに、とらわれている本人は何も、出来ていないと思い 込んでいる。
◆「同時に5種類の仕事が出来る。」
Q、同時にいくつかの仕事をしている事はありますか?
・何かを、しながら違う事を考えていることはある。
・同じ事は、一度に出来ない。出来ないと言っても、人から見ると出来ていると言われることがあった。 本人は、完全欲が強いので、出来ていないと感じる。
・完全主義を辞めて、70%主義でいく。
◆「宇宙の事の大肯定」「主義者に痰を吐きかけられる」p101
ビクビクして震えながら診察をする。この強いて大胆になろうとしないところに、真の勇気があると思われる。
Q、ビクビクして見られるのが嫌だった経験はありますか?
・ビクビクしている状態が、人からどう思われるか気になり無くしてしまおうとしていた。
・別のものになろうとしていた。
・震えていても出来る。
・前はビクビクしていたけど、症状を問題にしない。内容に目を向ける。
・緊張する姿を見られたくないと思うほど緊張していく。
・緊張はして良いもの、するもの
・緊張感がないと、良い結果がでない。
とじる