◆緊張することについて
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・偉い人の前や大勢の前では緊張してしまうのが当然のことだと思います。
・なんでこんなにあがってしまうのだろうとかあれこれ考えたりあがらないよう
工夫するのではなく、そのまま緊張していればいいのだと思います。
・自分を責めたり、憎んでいたときには、緊張してしまう自分が許せず緊張すること
を敵視していました。自分のことが許せてかわいくなると、あがったり、
緊張してしまったりすることもなんかすごく許せました。
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◆葛藤、理想と現実などについて
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・「苦」は「苦」でそれ以外の何ものでもでもありません。苦しみを押さえ込もうと
せずに全面的に出しているときのほうがあまり苦しみを感じていないような気がします。
・あの場合こうする、この場合はこうするというのではなく、わきあがってくるままに
時間や感情にまかせておけばいいのではないでしょうか。
・苦しいときはいろいろな葛藤がおこってくるものです。葛藤はなくさなければ
いけないものではなく、おこすままにおこしておけばいいです。
・葛藤は仕方ないものだし、楽になりたいからと逃げ込むのではなく、葛藤をおこ
しながら前に進んでいく態度を身につけたほうがいいと思います。
・言おうか言わずにおこうかと葛藤をおこしている場合。別に言いたくないことや、
どうでもいいと思っていることは葛藤はおきないはずです。逃げても逃げなくても、
良いも悪いもないですが逃げて後悔するのは自分自身です。
・森田先生はすらすらと出来ることを良しとしているわけではありません。
葛藤しながらでもできた喜びを味わってみましょう。
・いろんな葛藤をおこしながらでも現実の生活に対応できていたらそれでいいのだと思います。
・理想だけを追いかけるのも、理想を全く持たずに現実だけを追いかけるのも何か違
うように思います。理想と現実は切っても切れない関係があるのではないでしょうか。
・悲しくつらいことがあっても生きていくいくというのが現実です。
・自由に葛藤をおこさせないところに強迫観念が生じます。
・自分の中には強い自分も弱い自分もあります。(どちの部分もあっていいです)
出てくるままに任せたらいいいと思います。
・葛藤を自由に流していけたら良いのではないでしょうか。葛藤がおきたときに
どちらかに決めてしまわなければ気がすまないというのはある意味幼弱性なのかもしれません。
今までの自分のことを振り返ると、耐えきれないからと楽なほうに決めてしまってもあま
り良い方向に進んだことはありません。
・うじうじしながら、コントロールできないままやっていきましょう。
・家庭を持つなどして、我慢せざるをえない立場に立ったとき、それまで親やまわり
の人に対して葛藤や腹立ちをすぐ言葉や態度に出していたのを恥ずかしく思いました。
葛藤がおきたり、腹が立ってもあまり露骨に行動にださないようにしています。
・覚悟しないという覚悟が大切です。
・「その時に当たっていずれをも肯定するのであります。これが私の理想を捨てた
理想であります」これができると生きやすくなります。
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森田正馬全集第5巻 p.103 より ------------------------------------
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私がいま自分の事について考えてみるに、私がもし子規のような場合であったら、泣きもしよう。また人のいるところでは耐えもし
よう。私が一昨年肺炎をやったとき、私は酒は飲むし、身体は弱いから、今度は助からないかと思った。しかし決して死んではならぬ
と頑張った。なお広瀬君から肺炎の診断のついた時に、もし危篤になった時には、どんな気持ちになるかわからぬから、今のうちにと
思って、もし死んだら大学へ送って解剖をするように頼んだ。この時は自分も泣き出したいように空恐ろしい。しかし平然を装って、
ニコニコしながら広瀬君に話している。私の死んだ子供は、私のこの言葉を聞いて、身体に悪寒がしたとの事である。すなわち私は卑
怯というか虚偽というか、泣きたいのを笑ったりして、心の表裏のあるものと、自分自身をそのままに肯定しているのであります。た
だ私は私の心の事実を認めるのみです。解剖の事もただ必要の事をいうのみです。このような事は、縁起恐怖患者の四の字をいうのも
恐ろしいというのとは、大分相違のあるところであります。
人間の死の時は、卒中のように無意識で死ぬのもあれば、衰弱しきって、火の消えるように死ぬのもある。一般にまだ生の力の強盛
であるものは、多くは死のアゴニーといって、非常に苦悶するものである。
さて私の死ぬ場合は、どの死に方をするのか、その時と事情とになってみなければわからない。
私には宗教家や英雄豪傑のいうような死の心掛けや準備というものは少しもない。
すなわち私は恥さらしのように死ぬか、あるいは大往生か。私はその時に当たっていずれをも
肯定するのであります。これが私の理想を捨てた理想であります。
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