2001年8月
◆困難に直面し不安を感じ迷っているのですが何が問題なのかがよくわからないのですが・・
今できることをたんたんとやっていき、日常生活をとにかくこなしていきましょう。 小さな行動、やれることを増やしていき不安がおさまるのを待つようにしています。
悩んでいる真っ最中は、みんな問題がわからないのではないでしょうか。わかる前の段階でみんな 苦しんでいます。症状を乗り越えても「わからなかった」という初心は忘れないほうがいいと思います。 集談会でわからない人に対しては問題点を言ってあげたり、その人の行動しやすいことを言ってあげたら いいのではないでしょうか。 「何が問題なのか」という問題意識がないと森田を学んでも遠回りになってしまいます。
症状という現象だけをとらえて問題視していませんか?困った、悩んでいる、と言うわりにやらないと いけないことをやっていなかったり、何が問題なのかも見ようとしていないのではないですか? 問題が何なのか注意しておき、気をとめるようにしています。(メモしたり書き出さないと 抽象論に終わってしまいがちです。)
日々なんとなく流されてしまう人は神経質傾向ではないのかもしれません。毎日を大切にして、 おろそかにせず一つでも解決できそうなことがあれば解決していきましょう。
◆昔おきた出来事にとらわれてしまい物事に手が出せません。
昔何か実際に事件があったとしても何年もそのことにとらわれているということは思い込みが強いのだと思います。 強迫観念の場合、観念にとらわれている時間が長いです。 物事に熱中している時間が多ければとらわれている 時間は減ります。少しでも行動していくほうがいいと思います。
過去は変えることができません。過去の問題が解決できなくても、今、未来は変えることができます。 人から悪く思われたり、たたきのめされつぶされるのではないかという観念にとらわれて何も手を出さず にじっとしているより、いろいろ手を出してみて、もしつぶされたら、つぶされたその時に考えればいいの ではないでしょうか?
行動していく中で、一人でも、二人でも自分を認めてくれる人ができれば、そのことがまた行動する推進力 にもなります。まわりから信頼されるように少しずつでも行動していけばいいのではないでしょうか。 嫌な出来事はつくりたくないという気持ちはわかります。しかし、人と気まずくならずにいい思いだけをし たいということは不可能のように思います。
◆ 70%主義について
なんでも完璧を求めすぎて身動きとれなくなってしまった場合はとりあえずは100%でなく無理せず 70%でいいのでできることをやっていきましょう。
100%頑張って、精一杯やって、ダメだった場合は「70%主義」という言葉は大切です。 しかし努力せず、行動する前から「70%できればいい」というのはおかしいのではないですか?
毎日100%の努力をしていますか?ズボラになって70%でもいいと思っているのではないですか? がなかなか手がだせないし、手を出しても長続きしません。
◆ 実践課題について
自分で実践について意識するかしないかで違ってきます。毎日をなんとなく過ごしてしまうのではなく、 明日はこれをしよう、この時間帯はこれをしようというふうにしたほうがいいです。
苦しんでいた頃の初心の感覚を持っていると、森田の理論を学んでいてもびんびん感じるものがあります。 実践課題などの話を聞いても、そんなことはどうでもいい、何も感じないというのは、だんだん感覚がに ぶくなってきているのではないでしょうか。
◆ 「休息は仕事の中止ではなく転換である」について。
仕事を切り替えていくこと、止めてしまうのではなく変えていくことです。
仕事に熱中していて、ハッと気が付き、まわりの気づいたことに手を出す。 またもとの仕事にもどり、またハッと気が付きまた別の気づいたことに手を出すというような動き のことだと思います。とらわれている人は、とらわれに没頭するから次から次へと移っていけません。 次から次へとパッパと移り変わるという動きは、強迫行為のいとまがなくとても楽な生き方です。 (努力ではなく自然に行っている)そういう動きが出来ている時は、時間がないというような概念も 忘れてしまっています。
「日々新たに、また日々に新たなり」という言葉がありますが、この言葉は変化を自覚できているということです。 森田先生も次から次へといろいろなことをやっていたのだと思います。まわりから見ると変人のように見える部分 もあるかもしれないが、神経質者は次々にいろんなことをやっていくような生き方を望んでいるのかもしれません。
人から変に思われているのではないかなどと考えているような時は動きが悪くなっているのではないでしょうか。
◆「行動はつねに創造である」
「今日」は「昨日」でも「明日」でもなく「今日」は今日だけの一日です。毎日の生活行動は 自分自身の命の表現であり小さな歴史です。行動なくして私たちの成長も発展もありません。
一日、一日がとても大切です。今日だけの一日と思えるような一日を過ごしているでしょうか。 どんなことでも、どれだけそのことに対し情熱を傾けることができるかということが大切です。
とじる